ポリエステルバッグの生産は、年々ベトナムへ移っています。ただし生地はそうではありません。ベトナムの縫製工場は原反の多くを中国から輸入しており、「生産国」だけでは、そのバッグが実際に何でできているかはわかりません。
わかるのは仕様書です。そしてポリエステルバッグの発注は、その仕様書のたった一文字で狂います。
「210D」と書かれた見積と「210T」と書かれた見積は、一見すると同じバッグに見えます。しかし前者はしっかりしたオックス生地、後者は重さがおよそ半分(2分の1程度)しかないタフタです。価格だけを並べて安いほうを選び、コンテナが届いてから違いに気づく。よくある話です。
本記事は、繰り返し使えるポリエステルバッグの完全ガイドです。数字の意味、コーティングで変わること、プリント方式ごとの向き不向き、バッグの寿命を決めるのは縫製であること、そして発注前にサプライヤーへ確認すべき25項目をまとめました。
ポリエステルバッグとは、ポリエステル織物で作られた繰り返し使用できるバッグで、デニール(糸の太さ、210D・600Dなど)または総本数(1インチあたりのタテ糸+ヨコ糸の本数、190T・210Tなど)で仕様が表されます。この2つは互換ではありません。210Dはオックス生地、210Tは薄手のタフタです。弊社の折りたたみバッグは210Tタフタ・PUコーティングで65g/㎡前後です。Bk-bagsは2006年よりベトナムと中国で生産を行い、ポリエステルの最小ロット5,000枚から、昇華転写・シルク印刷・熱転写に対応しています。
この記事の要点
- 210Dと210Tは別の生地です。 Dは糸の太さ、Tは1インチあたりの本数。片方はオックス、片方は薄手のタフタです。ポリエステルバッグの発注で最も高くつく勘違いがこれです。
- デニールだけでは仕様が決まりません。 g/㎡の数値と、それが生地単体かコーティング込みかを必ず確認してください。
- コーティングは防水性・張り・プリント適性を左右します。 折りたたみやすさも同時に決まります。
- 耐荷重は縫製仕様で決まります。生地の厚みでは決まりません。 持ち手の付け根が弱ければ、600Dでも210Dより先に壊れます。
- 価格より先に縫製を確認してください。 不具合の多くは生地ではなく縫い目から起きます。
- ポリエステルの最小ロットは5,000枚です。
1. なぜ日本でポリエステルの折りたたみエコバッグが選ばれるのか
日本でこのカテゴリーが伸びた起点は、2020年7月のレジ袋有料化です。消費者が日常的にエコバッグを持ち歩くようになり、「たためること」が実用上の必須条件になりました。
日本の生活動線では、バッグは通勤鞄やハンドバッグの中に常時入っています。そのため求められるのは容量ではなく収納サイズです。手のひらに収まるところまで小さくなるかどうかで採用が決まります。不織布バッグでは折りたたんでもかさばり、コットンでは重くなります。ポリエステルはこの条件を単独で満たせる数少ない素材です。
もう一つの理由が名入れとの相性です。ノベルティ・販促品として配布する場合、昇華転写であればフルカラーの全面プリントが色数の追加費用なしで実現でき、しかも印刷面に凹凸が出ません。企業ロゴやキャンペーンデザインをそのまま再現できるため、販促品市場で定番になっています。
さらに、保冷バッグの本体素材としても使われます。アルミ蒸着を組み合わせれば保冷温バッグになり、ランチバッグやレジカゴバッグへ展開できます。
2. DとT:仕様書の正しい読み方
ポリエステルバッグの仕様表記で、D(デニール)は糸の太さを表します。9,000mあたりの糸の重さ(グラム)で、数字が大きいほど糸が太く、強度と耐摩耗性が上がります。
T(総本数)は織りの密度を表します。1インチあたりのタテ糸とヨコ糸の合計本数で、糸の太さではありません。210Tは細い糸を高密度に織った生地で、だから薄く、しなやかになります。
実務上の結論はこうです。210Tのバッグは、210Dのバッグのおよそ半分(2分の1程度)の重さになり得ます。
| 210D | 210T | |
|---|---|---|
| 数字が示すもの | 糸の太さ(デニール) | 1インチあたりの本数 |
| 生地 | オックス | タフタ |
| 風合い | 張りがあり形が出る | 薄くしなやか |
| 収納サイズ | 小型ポーチ大 | 手のひら大以下 |
| 主な用途 | 繰り返し使う買い物袋、型のあるトート | 超軽量の折りたたみ、ノベルティ |
この混同は日本国内でも広く起きています。アウトドア用品の生地解説では「190Tは190デシテックス(糸の太さの単位)と勘違いされやすい」と繰り返し注意喚起されており、T表記はタフタ、つまり織り密度を指すというのが業界の共通認識です。
なお日本市場では、軽量タフタは190Tや230Tの表記で流通しており、「190T過密ポリエステル」のように書かれることもあります。弊社の折りたたみバッグは210Tです。同じT系の生地で、数字が大きいほど織りが密になります。
見積書に「210」とだけ書かれていた場合、その見積は完成していません。DなのかTなのか、書面で確認してから価格を比較してください。
3. 3つの生地、3つの用途(190T・210D・600D)
ポリエステルバッグの発注は、実質的に3つの生地に集約されます。極限まで小さくたたむなら210Tタフタ、たためて実用荷重にも耐えるなら210Dオックス、型崩れせず荷重を支えるなら600Dオックスです。
| 生地 | 目付 | 収納サイズ | 用途 | Bk-bagsの該当製品 |
|---|---|---|---|---|
| 190T/210T(タフタ) | 65g/㎡前後(コーティング込み・弊社実測値) | 手のひら大以下 | 超軽量の折りたたみ、ノベルティ、イベント配布 | 折りたたみバッグ(210T+PU、W44×H39×D8cm)/巾着タイプ(210T+PU、W38×H46cm) |
| 210D(オックス) | 参考値110〜140g/㎡・案件ごとに要確認 | 小型ポーチ大 | 主力。たためて買い物の実荷重に耐える | 全面プリント折りたたみ(210D+PU、W45×H45×D10cm)/ショルダーバッグ(210D+PVC) |
| 600D(厚手オックス) | 参考値約180〜350g/㎡(PUかPVCか、コーティングの厚みで大きく変動)・案件ごとに要確認 | たためますが小さくはなりません | 厚みとハリ。リュック、保冷バッグ、レジカゴバッグ、船底バッグ、しっかりした折りたたみ | ポリエステルリュック(600D、W32×H41×D14cm) |
210Tは収納性、600Dは構造で選ぶ生地です。210Dが多くの小売案件の着地点になるのは、たためて、なおかつ実用荷重に耐える境界だからです。日本市場では210D・420Dが軽量で扱いやすい帯として、600Dが厚みとハリの帯として流通しています。
600Dは「上位グレード」ではありません。 用途が違うだけです。日本のOEM各社は600Dを折りたたみエコバッグや船底バッグ、レジカゴバッグにも使っており、「適度な厚みとハリ」が評価されています。つまり600Dもたためます。ただし手のひら大にはなりません。
判断基準は単純です。常時ハンドバッグに入れて持ち歩く前提なら210T、レジカゴに乗せて形が崩れないことが優先なら600D。収納サイズを最優先する用途に600Dを選ぶと、使わない性能に費用を払うことになります。
目付についての注意点。 上記の65g/㎡はコーティング込みの数値です。サンプルと仕様書を突き合わせるときに効いてくるのはこちらです。見積の目付が生地単体か、コーティング込みかを必ず確認してください。 ロットが大きくなるほど差は金額に直結し、2社の見積が同条件に見えて実は違う、という最も起きやすい形がここです。
なお寸法は日本のカタログ表記にあわせW×H×D(幅×高さ×マチ)で記載しています。またポリエステルは第一にデニール(D)/総本数(T)で語られ、目付は補助的な指標です。不織布の目付(g/㎡)や帆布の号数とは体系が異なりますのでご注意ください(帆布は号数が小さいほど厚手になります)。
4. コーティングの有無:PU・PVC・アルミ蒸着
ポリエステル生地は通常、裏面にPU(ポリウレタン)またはPVCのコーティングを施します。PUは軽く柔らかく、たたみやすさを損ないません。PVCは完全防水ですが、硬く重くなります。コーティングなしは最も安価で、昇華転写には最も適しています。
PUコーティング。 折りたたみバッグの標準です。撥水性と適度な張りを与えながら、たたみやすさを残します。弊社の210T折りたたみ2型はいずれもPUです。
PVCコーティング(市場では「裏PVC加工」とも表記されます)。 重く、光沢があり、完全防水で、明確に硬くなります。たたむより「拭いて使う・形を保つ」用途に向くため、弊社ではショルダーバッグに採用し、折りたたみ系には使っていません。採用前に2点ご確認ください。フタル酸エステル類は規制対象ですので試験成績書を書面でご請求ください。また欧州の一部小売企業は、法規制とは別に自社の包装方針でPVCを制限しています。一律の可否ではなく、納入先の仕様を確認してからご判断ください。
コーティングなし。 最も柔らかく安価で、インクと繊維の間に何もないため昇華転写に最適です。ただし水や汚れを吸います。乾物系のノベルティには十分ですが、食品スーパー向けの買い物袋には不向きです。
アルミ蒸着。 コーティングというより積層する断熱層です。オックス生地を保冷バッグに変えるのはこの層です。
覚えておいていただきたい相反関係はこれです。コーティングは防水性を買い、たたみやすさを失います。 ポケットに収める前提の製品なら、コーティングは軽めに設定してください。また「防水」と表現する製品については、形容詞ではなく耐水圧(mm)の数値でご確認ください。
5. プリント方式と名入れ:シルク印刷・昇華転写・熱転写印刷
ポリエステルに使える方式は3つです。シルク印刷(1〜4色の特色(スポットカラー)、PANTONE指定可)、昇華転写(フルカラー無制限、高ポリエステル率と淡色・無コーティング面が条件)、熱転写印刷(濃色生地に対応、小面積向き)。オフセット印刷はポリエステル生地には直接印刷できません。 紙の印刷方式です。
シルク印刷
メッシュ版からインクを押し出す方式で、版は色数分必要です。1〜4色のベタ、PANTONE指定に最適です。ロットが大きいほど単価は下がり、色数ごとに版代が発生します。
折りたたみバッグで注意すべきはインクの膜厚です。 厚く盛ったインクは、折り癖の線に沿っていずれ割れます。デザインが折り線をまたぐ場合は、柔軟性の高いインクを指定するか、版下の配置を動かしてください。
昇華転写
熱でインクを気化させ、ポリエステル繊維そのものに定着させる方式です。ポリエステルが販促品で強い理由がここにあります。色数・グラデーション・写真を追加費用なしで再現でき、印刷面に凹凸がまったく出ず、上に乗るインク層が存在しないため割れも剥がれも起きません。
条件は3つ、いずれも譲れません。
- ポリエステル100%であること。 綿や麻などの天然繊維、低混率の混紡には定着しません。
- 白または白に近い淡色の生地であること。 昇華転写に白インクは存在しません。デザイン上で白にした部分はプリントされず生地の色がそのまま出ます。黒・紺などの濃色生地では柄がほとんど見えなくなるため、適用できません。
- プリント面が無コーティングであること。 通常は縫製前の裁断パーツ、生地の表面側に転写します。
熱転写印刷
印刷したフィルムを完成品に熱圧着します。フルカラー、濃色生地対応、小ロットや昇華転写では届かない位置にも対応できます。手で触れるとわかる厚みがあり、長期使用で端が浮くことがあります。濃色バッグの複雑なデザインには適し、大面積の全面プリントには不向きです。
「オフセット」と言われたら
オフセット印刷は紙の方式です。台紙、下げ札、封入物などを印刷します。ポリエステル生地に直接印刷することはできません。
見積に「ポリエステルバッグ・オフセット」とある場合は、何を指しているのか確認してください。多くは、オフセットで刷った転写フィルムを熱圧着しているか、下げ札など紙部材のことです。どちらも正当な工程ですが、生地への印刷ではなく、耐久性の期待値がまったく違います。
| 方式 | 色数 | 手触り | 折りへの耐性 | 濃色生地 | 適する用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| シルク印刷 | 1〜4色 | わずかにあり | 柔軟インクなら良好 | 可 | ロゴ、ベタのPANTONE指定 |
| 昇華転写 | 無制限 | なし | 非常に良好 | 不可 | 写真・全面プリント |
| 熱転写印刷 | 無制限 | あり | 中程度 | 可 | 濃色生地の小面積フルカラー |
| オフセット | 無制限 | ー | ー | ー | 紙部材・下げ札・封入物のみ |
6. 縫製と構造:耐荷重を決めるのは生地ではありません
ポリエステルは裁断するとほつれます。したがって裁断は溶断(ヒートカット)、縫い代はロック始末または玉縁(バイアステープ)で処理します。持ち手の付け根にはかんぬき止め(閂止め)が必要です。そして耐荷重は、持ち手のテープ、縫い込み深さ、かんぬき止め、縫い代の始末、運針で決まります。生地のデニールでは決まりません。
見積で最も軽視され、クレームでは最も多く出てくるのがこの部分です。
溶断(ヒートカット)。 熱した刃で裁断と同時に端を溶かして固めます。裁断が溶断か通常裁断かをご確認ください。処理されていない端は必ずほつれます。
ロック始末。 生地の端をかがって始末します。速く、安価で、業界標準です。実用上これで十分機能します。
玉縁(バイアステープ)。 テープを縫い代にかぶせて縫い、裁ち端を完全に包み込みます。ロック始末より強く、内側の見え方が明確にきれいで、配色を変えればデザイン要素にもなります。材料費と工数は増えます。裏返してポーチに何百回と押し込む製品では、その差額に見合います。
持ち手付け根のかんぬき止め(閂止め)。 バッグ全体で最も重要な一点で、デニールを一段上げるより効果があります。かんぬき止めは、縫い止まりがほつれないよう補強する密な返し縫いです。工業用には専用の閂止めミシンがあり、これを「機械かんぬき」と呼びます。代わりにバッテン(X字)縫いを用いる場合もあります。どちらも入っていなければ、荷重で持ち手が本体から裂けます。そのとき生地の厚みは関係ありません。
だからこそ、耐荷重は縫製仕様で決まる数値であり、素材の性質ではありません。 「10kgまで大丈夫です」という回答が生地の説明で返ってくる場合、質問に答えていません。完成品としての試験値と試験方法をご確認ください。
併せて指定すべき3点。 運針(1インチあたりの針数)は、粗いと強度が落ち、細かすぎると薄い生地に穴が並んで裂け線になります。糸はポリエステル糸を指定してください。綿糸は周囲の生地より先に劣化し、素材がまだ使える段階でバッグが壊れます。持ち手の縫い込み深さも指定対象です。安価な製品は上端の三つ折り部分だけに留めており、そこが裂けます。
7. たたみ方の4方式
折りたたみポリエステルバッグの構造は、実質4種類です。
収納ポケット一体型。 本体にポケットを縫い付け、バッグをその中に裏返して収めます。紛失するものがなく、部材が1点少なく、多くの場合これが最も安価です。閉じ方はプラホック、面ファスナー、ゴムループのいずれかです。
ポーチ付属型(タグ留め)。 小さなポーチを短いタグで本体に縫い留めます。なくならず、ポーチ側にも名入れできます。ただしタグの付け根は繰り返し引っ張られるため、ここにもかんぬき止めが必要です。
別体ポーチ。 独立した袋です。製造は最も安価で、印刷面が1面増え、そして紛失します。店頭パッケージとしては有効ですが、恒常的な機能としては弱いです。
ポーチなし・ベルト留め。 たたむか巻いて、縫い付けたベルトで留めます。コストは最小、たたみ上がりは最もラフです。
ファスナー留めはコストと故障箇所を1つずつ増やします。プラホックと面ファスナーが主流なのには理由があります。
8. 単価ではなく「1回あたりのコスト」
ポリエステルバッグは1回使用あたりのコストで比較してください。軽量な210Tのノベルティは単価が最も低く、寿命も短い製品です。コーティングした210Dに玉縁始末とかんぬき止めを入れれば単価は上がりますが、実際に週1回以上使われる用途なら、1回あたりでは大幅に安くなります。しかも、安いバッグが廃棄されたあとも、良いバッグは貴社のブランドを運び続けます。
逆もまた同じです。数回しか使われない展示会の配布物に600Dと玉縁を指定すれば、回収できない費用になります。
バッグの実際の使用回数に仕様を合わせてください。 計算はこれだけです。
9. 日本のお客様が重視される5つの点
海外調達で問題が起きるのは、たいてい価格でも納期でもなく、日本の当たり前が仕様書に書かれていなかったときです。弊社が日本のお客様との取引で必ず先に確認している5点を挙げます。
① 検針
縫製品に折れた針が残っていないかを金属探知機で検査する工程です。日本の購買では標準的な要求事項ですが、販促品・ノベルティの海外調達仕様では省略されていることが多く、指定しなければ実施されません。日本向けを手がけるベトナムの縫製工場では、検針機の日常点検と針管理台帳の運用、出荷から物流センターまでの多段階検針体制が標準的に整備されています。工場が検針に対応しているか、複数段階の検針体制が可能か、検針証明書を発行できるかを、発注前に必ずご確認ください。ノベルティであっても、配布先が一般消費者であれば要求される項目です。
② 色ブレの許容範囲
日本のお客様は色の再現性に対する基準が明確に厳しく、量産品のロット間の差も見られます。PANTONE番号の指定だけでは足りません。 量産前に色校正(校正サンプル)を承認する工程を組み込み、許容差をどこまでとするかを事前に合意してください。特に昇華転写の全面プリントでは、生地ロットが変わると発色が動きます。
③ 納期の確度
短納期そのものより、約束した納期が動かないことが評価されます。海上輸送のスケジュール、旧正月・大型連休の生産停止、検品期間を含めた実効納期を、発注時に文書で確認してください。弊社はベトナムと中国の両方に生産を持つため、納期と関税の条件で生産国を選べます。
④ 改正資源有効利用促進法:エコバッグは対象外です
ここは誤解が多いところですので、正確にお伝えします。
2026年4月1日に改正資源有効利用促進法が全面施行され、「指定脱炭素化再生資源利用促進製品」としてプラスチック製容器包装(食品用(指定PETボトルを除く)・医薬品用等を除く)、家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)、自動車が指定されました。ただし義務の対象となるのは、一定規模以上の製造事業者・輸入販売事業者に限られます。対象製品の製造事業者・輸入販売事業者には再生プラスチックの利用目標を含む計画の提出が義務付けられ、計画は2027年度から毎年度9月末日までに提出し、定期報告は2028年度から毎年度9月末日までに提出することとされています。
ただし、繰り返し使うエコバッグ・マイバッグはこの「容器包装」に該当しません。 容器包装リサイクル法上の「容器包装」は、中身の商品と一体性を持つもの、すなわちその中身の商品を入れるためだけに提供されるものに限られます。経済産業省は「容器包装の識別表示Q&A」において、マイバッグは提供を受けた者が他の商品を入れるために繰り返し使用するものであるため、中身の商品との一体性を有するものには該当しないと明記しています。レジ袋は容器包装ですが、繰り返し使うバッグは違います。
では、なぜこの法律の話をするのか。 貴社が小売業・EC事業者であれば、自社の非食品用プラスチック容器包装について対象事業者になり得るからです(食品用は当面除外ですが、飲料の指定PETボトルは対象です)。そして実務上、再生材の調達方針は容器包装だけで完結しません。計画を提出する企業は、販促品や配布用バッグを含めた調達全体に再生材基準を広げる傾向があります。法的義務ではなく、調達方針として先に来るという順序です。
したがって弊社からのご提案は、法令対応としてではなく調達準備としての再生材です。再生材が必要な案件には、再生PET不織布(スパンボンド・ステッチボンド)のバッグをご提案しています。本ガイドで扱う210Tタフタから600Dオックスまでのポリエステル織物のバッグは、再生材では製作しておりません。調達先を選ぶ際の判断材料は、GRS(グローバル・リサイクル・スタンダード)のトランザクション証明書を出荷分について出せるかどうかです。
法令が求めていないことを「義務です」と申し上げるサプライヤーには、他の説明も確認されたほうがよいと思います。
⑤ 小ロットについて、正直にお伝えします
弊社のポリエステルバッグの最小ロットは5,000枚です。
日本国内には既製品への名入れであれば数十枚から、完全オリジナル製造でも100枚程度から対応する会社が多数あり、少量を短納期で必要とされる案件では、そちらのほうが確実に適しています。弊社が価値をお出しできるのは、数千枚以上で、生地・コーティング・縫製仕様・認証まで作り込む案件です。ロットが大きいほど、この記事に書いた指定が単価に反映されます。
隠しても仕方のない条件ですので、最初に申し上げます。
10. Bk-bagsのポリエステルバッグ15型
弊社はポリエステルカテゴリーで15型を展開しています。210Tの折りたたみ(65g/㎡前後・PUコーティング)、210Dの型のあるトートとショルダー、600Dのリュックまでが標準の幅です。ポリエステルの最小ロットは5,000枚、生産はベトナムと中国です。
上の表に挙げた製品が各重量帯の基準型で、そのほかに折りたたみポケットバッグ、部分プリント・折りたたみポリエステルバッグ、ファスナー付きバッグ、船底バッグ、多機能折りたたみなどがあります。
いずれも仕様変更が前提です。生地の重量、コーティング、プリント方式、縫い代の始末、持ち手の構造、たたみ方はすべて指定していただけます。既製品のカタログではなく、出発点としてお考えください。
11. サプライヤーへの確認事項25項目
次回の見積依頼にそのままお使いください。製品を理解しているサプライヤーと、メールを転送しているだけのサプライヤーは、この回答で分かれます。
生地について
- 仕様の数字はデニールですか、総本数ですか。210D/210Tと明記してください。
- 目付(g/㎡)はいくつですか。生地単体ですか、コーティング込みですか。
- ポリエステル100%ですか、混紡ですか。正確な組成をお知らせください。
- 再生原料の場合、再生比率は何%ですか。工場の認証書(スコープ証明書)だけでなく、本注文に対するGRSトランザクション証明書を発行いただけますか。
- コーティングの有無、種類(PU/PVC)、および施工面はどちらですか。
- PVCの場合、フタル酸エステル類の試験成績書とREACH(欧州化学物質規制)適合の確認をいただけますか。
- 防水性能を訴求する場合、耐水圧は何mmですか。
- 染色堅牢度・摩擦堅牢度の試験結果をお知らせください。
プリントについて
- プリント方式は具体的に何ですか。裁断パーツへの印刷ですか、完成品への印刷ですか。
- 標準で何色まで含まれますか。PANTONE指定は可能ですか。
- 昇華転写の場合、ポリエステル混率とプリント面が無コーティングであることをご確認ください。
- 繰り返し折りたたんだ際、折り線上のプリントはどうなりますか。
- 版代は1色あたりいくらですか。初回以降、版はどちらが保管されますか(版保管の可否)。
- サンプル室の代替生地ではなく、量産生地での校正サンプルを確認できますか。
縫製・構造について
- 裁断は溶断(ヒートカット)ですか。
- 縫い代はロック始末ですか、玉縁ですか。玉縁の場合、テープの材質は何ですか。
- 持ち手の付け根はかんぬき止め(閂止め)ですか、バッテン縫いですか。針数はいくつですか。
- 運針(1インチあたりの針数)はいくつですか。
- 縫製糸はポリエステル糸ですか。
- 持ち手は本体に何cm縫い込まれていますか。
- 完成品としての耐荷重試験値と、その試験方法をお知らせください。
- たたみ方はどの方式ですか(一体型ポケット/付属ポーチ/別体ポーチ/ベルト留め)。
発注前に
- 検針に対応いただけますか。検針体制(段階数)および検針証明書の発行についてお知らせください。
- サンプル室の生地ではなく、量産生地の反から作成した量産前サンプルをご送付ください。
- 最小ロットは、1オーダーあたりですか、色あたりですか、サイズあたりですか。この3つは別の数字です。また納期は「発注日から」ではなく「デザイン校了から」でご回答ください。
「ポリエステルバッグでいただくご指摘は、生地についてではありません。生地はたいてい問題ないのです。持ち手の付け根か、折り線で割れたプリントです。バイヤーの方は交渉時間のほとんどをデニールに使い、縫製にはほとんど使われません。そして壊れるのは縫製です。かんぬき止めについて聞いてください。費用はほとんどかかりませんが、長く使えるバッグと戻ってくるバッグの分かれ目はそこです。」
Bk-bags マネージングディレクター Simmy Lin
12. よくあるご質問
210Dと210Tの違いは何ですか?
210Dは糸の太さ(デニール)を示し、張りのあるオックス生地を指します。210Tは1インチあたりの総本数を示し、薄手のタフタを指します。210Tのバッグは210Dのバッグのおよそ半分(2分の1程度)の重さになることもあります。数字は同じ210でも、重量・風合い・用途がまったく異なる別の生地です。Bk-bagsは両方を製造しており、見積書には必ずDかTかを明記しています。
折りたたみエコバッグにはどの生地が適していますか?
日常的に繰り返し使う用途では、コーティングした210Dオックスが標準的な選択です。小型ポーチ大にたためて、買い物の実荷重にも耐えます。とにかく小さくたたみたいノベルティ用途であれば、190Tまたは210Tタフタのほうが軽く安価です。Bk-bagsの210T折りたたみバッグは65g/㎡前後(PUコーティング込み)で、ベトナムと中国の自社生産ラインから供給しています。
エコバッグにフルカラーの写真をプリントできますか?
はい、昇華転写であれば可能です。インクをポリエステル繊維そのものに定着させるため、色数の追加費用なしでフルカラー写真を再現でき、印刷面に凹凸が出ず、割れや剥がれも起きません。条件は、ポリエステル混率が高いこと、淡色の生地であること、プリント面が無コーティングであることの3点です。Bk-bagsではこのほかシルク印刷(1〜4色のPANTONE指定)と、濃色生地向けの熱転写にも対応しています。
ポリエステルバッグは防水ですか?
コーティングなしのポリエステルは、良くて撥水程度です。PUコーティングはたたみやすさを保ったまま実用的な撥水性を与え、PVCコーティングは完全防水になりますが硬く重くなります。「防水」という表現ではなく、耐水圧(mm)の数値でご確認ください。Bk-bagsではポリエステルの見積時に、コーティングの種類と施工面を必ず明記しています。
再生ポリエステル(再生PET)で製作できますか?
はい。ただし、Bk-bagsで再生ポリエステル(再生PET)を使うのは不織布のバッグに限ります。Bk-bagsは210Tタフタから600Dオックスまでのポリエステル織物のバッグを、再生ポリエステルでは製作しておりません。再生PET不織布(スパンボンド・ステッチボンド)のバッグは、ラミネート加工なし・ラミネート加工ありのいずれでも製作します。再生PETのご注文には、GRS(グローバル・リサイクル・スタンダード)のトランザクション証明書をご要望に応じて出荷分についてご提供します。スコープ証明書は「サプライヤーが認証を持っている」ことの証明にすぎず、「その注文に再生原料が使われた」ことの証明にはなりませんので、必ずトランザクション証明書をご請求ください。詳しくはRPET(再生PET)バッグのページをご覧ください。
エコバッグの耐荷重はどれくらいですか?
耐荷重は生地ではなく縫製構造で決まります。持ち手のテープ、本体への縫い込み深さ、付け根のかんぬき止め、縫い代の始末、運針が上限を決めており、持ち手の付け根が弱ければ600Dのバッグでもかんぬき止めのある210Dより先に壊れます。Bk-bagsではデニールから推定するのではなく、完成品としての試験値と試験方法をお伝えしています。
日本向けの発注で検針に対応できますか?
検針は縫製品に折れた針が混入していないかを金属探知機で確認する工程で、日本の購買では標準的な要求事項です。販促品の海外調達仕様では省略されがちで、指定しなければ実施されません。工場の検針対応可否、検針体制の段階数、検針証明書の発行可否を、発注前に必ず書面でご確認ください。
ポリエステルバッグの最小ロットは何枚ですか?
Bk-bagsのポリエステルバッグの最小ロットは5,000枚です。210Tタフタから600Dオックスまで、すべての生地で同条件です。日本国内には数十枚から名入れに対応する会社があり、少量・短納期の案件ではそちらが適しています。弊社が価値をお出しできるのは、生地・コーティング・縫製仕様・認証まで作り込む数千枚以上の案件です。
改正資源有効利用促進法はエコバッグも対象ですか?
いいえ。2026年4月1日に全面施行された改正資源有効利用促進法では、指定脱炭素化再生資源利用促進製品としてプラスチック製容器包装(食品用(指定PETボトルを除く)・医薬品用等を除く)、家電4品目、自動車が指定されていますが、繰り返し使うエコバッグ・マイバッグは「容器包装」に該当しません。容器包装とは中身が商品であり、その商品がなくなれば不要になるものを指し、エコバッグはそれ自体が商品だからです。ただし小売業のお客様はご自身の容器包装について対象事業者になり得るため、再生材の調達方針が販促品や配布用バッグにも及ぶことは実務上よくあります。Bk-bagsは法令義務としてではなく調達準備として、再生材が必要な案件には再生PET不織布(スパンボンド・ステッチボンド)のバッグをご提案しています。
昇華転写は濃色の生地にもプリントできますか?
できません。昇華転写に白インクは存在しないため、デザイン上で白にした部分はプリントされず生地の色がそのまま出ます。黒や紺などの濃色生地では柄がほとんど見えなくなります。ポリエステル100%で、白または白に近い淡色の生地が条件です。濃色生地にフルカラーで加飾される場合、Bk-bagsでは熱転写印刷をご提案しています。
ベトナム製と中国製で違いはありますか?
関税と納期には影響しますが、製品そのものへの影響は想像より小さく、その理由はベトナムの縫製工場が原反の多くを中国から輸入しているためです。生産国だけでは、生地の重量・コーティング・縫製仕様はわかりません。生産国にかかわらず、仕様は書面でご確認ください。 Bk-bagsはベトナムと中国の双方に生産を持ち、関税条件と納期に応じて生産地を選択できます。
執筆者について
Simmy Lin Bk-bags マネージングディレクター。Bk-bagsはエコバッグとEC向け梱包資材のサプライヤーで、ベトナムと中国に生産拠点を持ちます。2006年の創業以来、世界各国の小売企業向けにエコバッグ・販促用バッグの開発と供給を行っており、GRSとFSC®のCoC認証(FSC® C232146)を保有し、BSCIの監査を受けています。
仕様書をお送りください。あるいは、現在お使いのバッグをそのままお送りください。実際に何でできているのか、どう変えれば良くなるのかをご回答いたします。
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